狩猟と鉛害、これからの規制

2021年10月12日

令和3年9月、環境省は狩猟での鉛弾の使用を2025年度以降規制すると発表ました。
多大な影響を受ける狩猟者として現状を調べてみました。

鉛害の実態

北海道では1998年度に猛禽類の鉛中毒が26件確認され、本州以南ではイヌワシ、オオタカ、クマタカの中毒死が計4件確認されているそうです。
その後の北海道の調査でも中毒個体が発生しているようです。

上記のことから鉛中毒が発生していることは事実です。

 

どこで起こっているか

最大の問題は中毒の原因となる鉛をどこで摂取したかでわないでしょうか。
摂取してすぐ中毒になって死ぬわけではないはずです。

オジロワシやオオワシは渡り鳥で日本では冬にしかいない鳥です。
他の時期はというと主にロシアで過ごし、韓国や北朝鮮にも飛来するようです。

韓国においては狩猟が禁止されているにも関わらず鉛中毒の個体が発見されているようなので狩猟は関係ないと断言できます。
あちらでは釣りのおもりや漁具が原因ではないかという見方にようです。

日本はワシ2種の生息範囲内では最も鉛弾規制が進んでおり、北海道では平成12年から鹿狩りで鉛を含むライフル銃弾の使用が禁止され、平成13年からは散弾銃弾も規制されました。
さらに平成16年からは全ての鳥獣での鉛弾使用が規制されたため、15年以上鉛弾は使われていません。
しかし、まだ症例が上がっているのはどういうことでしょうか?

他の都府県はというと全く規制されていないにもかかわらず鉛中毒の被害はずっと少ないようです。
「規制されていない地域が規制されているところよりも被害が多い」ならともかく、現実が逆とういうのはどうしたことでしょうか。

しっかりとしたデータや根拠があるなら別ですが、いい加減な理由で規制が増えたら当然反発するでしょう。
日本では猟友会がロビー団体として国に訴えかけています。

環境省も規制をする以上はしっかりと調査をするはずなのでそのあたりを注視していきたいです。

 

根拠の疑問点

・規制が進んでいる日本でなぜ起こるのか?
・海外で摂取して日本で死んでいるだけなのでは?
・規制されている北海道で多く、規制されていない他の地域で少ない理由は?
・検死では散弾なのか釣りのおもり(ガン玉)なのかを目視鑑定しているのか?

 

無鉛弾は無害なのか

「鉛フリーはんだでも中毒になるしデメリットもある」
それとおなじように無鉛弾でも危険性やデメリットは存在します。

 

1,硬いため跳弾しやすい

代替用に用いられる銅や鉄は鉛よりずっと硬く、跳弾による事故のリスクは飛躍的に上がります。
鉛の場合は石や硬い木に当たると潰れて砕けるので安全ですが銅や鉄だととんでもない方向に飛んでいきます。
跳弾事故が増える可能性が高いですがその責任はどうなるのか?

 

2,弾が高価

流通量や材料費により価格は全体的に高いです。
鉛製より安いことは絶対に無く、高いものだと3倍以上します。
この差額は誰が出すのか?

 

3,散弾銃が対応していない

硬い弾はチョークを通過するときに変形せず、銃身が破裂するリスクがあります。
特にトラップ用の上下2連は猟でもよく用いられていますが、2発目はフルチョークになっており銃身も薄いので非常に危険です。

鉛散弾が禁止になったら銃も全て買い換えになるが誰が費用を負担するのか?
複数の所持が難しい地域はどうなるのか?

 

4,製材時に害になる

銅や鉄は鉛よりずっと硬く、着弾した木を製材する時に切断機の刃が欠けたりする可能性があります。
鉛は柔らかいので問題になりませんでしたが鉄だと確実にクレームが出るはずです。
設備の修理費は誰が出すのか?

 

5,弾の入手が安定しない

銅弾のサボット弾はちょくちょく品切れになります。
今年は猟期前の10月15日の時点で在庫0の店も少なくありません。

 

無鉛弾が受け入れられにくい背景にはこのような問題点があるためです。
まずはこれらを解決するべきではと思うのです。

 

個人的な解決案

何も案を出さず文句ばっかり言うわけにも行かないので私なりの解決案を提示しましょう。

 

ライフル銃の許可要件の撤廃か緩和

現在は審査を厳密にしたおかげで不適格者の銃所持は大きく減ったはずです。
ハーフライフルも1丁目から許可されていますが問題は起こっていません。

そこで現在の10年間の散弾銃所持という制限を撤廃か緩和してはどうでしょうか?

事故が起こりやすく射出量の多い散弾銃を減らすことで環境には大変優しくなります。

ライフルであれば銅製の弾でも同様に撃てて十分な威力を保つことができ、精度も高いため消費する弾も減ります。
高い精度と充分な威力により半矢も減るという第2のメリットと、ハーフライフル銃のようにプラスチックのサボットを撃ち出さないので回収不可能なゴミも発生しないという第3のメリットもあります。

 

銃の用途別規制

・クレー射撃用の銃と弾は射撃場でのみ使用するため規制なし
・散弾銃は無鉛弾を使用し鳥猟のみに使用
・ライフル銃とその他の銃(ハーフライフル)は無鉛弾を使用し獣類のみに使用
・空気銃は無鉛弾の使用を推奨

ライフル銃の要件撤廃に併せて用途をしっかり定義することで現行法で曖昧な部分も整理できるはずです。
許可要件が厳しい地域は1人1丁から1人各用途1丁に緩和。

 

弾代の差額助成

・国は装弾の種類別に標準価格を定めそれを超えた金額を助成。
・標準価格は鉛製装弾の平均価格で定め、銅製装弾の差額の計算に使用。

弾代が倍以上になるので規制をする限りは国が助成するのは当然のことです。

 

これらを同時に実施したら受け入れられそうですがどうでしょうか?

 

-雑記
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