散弾実包のリロードを始めるために薬莢を集め、自分なりに調べた結果を書いています。
上下2連を持っているなら自分で撃っても良いのですが、私が自動銃とハーフライフルしか持ってないので拾う前提です。
この記事は12番(12ゲージ)です。
ウィンチェスター(Winchester)
AA(エーエー、ダブルエー)
リロードでは一番使われており、データも最多です。
薬莢の金属部(ロンデル)は真鍮製で浅く、樹脂部はビニール寄りで柔らかめ。
真鍮は薬莢の素材として良好で銃にも優しいです。
射撃の弾としては高めなので入手性はイマイチです。
プロ思考が強い射撃場(具体的に言えば国際・国体ルール)のトラップなら全体の消費量が多いのであるかもしれません。
底がカーブしており火薬の燃焼効率が高いです。
燃焼が遅めのロングショットでも燃えカスがあまり出ません。
丸に近い八角星で詰めやすく、同じようにスタークリンプするとキレイに仕上がります。
ロールクリンプは厚みのためか私の環境では綺麗にできませんでした。
SUPER X 散弾
鳥弾やバックショットとして手に入ります。
クリンプはどれも八角星。
輸入装弾であるSUPER X の410番はAAと同じような材質なのに対し、こちらは鉄製のロンデルです。
樹脂部は薄いので折りやすいです。
日本で売られている物はダイセルが日本で生産しています。
レッドバードの薬莢も同じ材質なので合わせて勝手に「ダイセル系」と呼んでいます。
猟用なので基本的に射撃場で撃つ弾ではないですが、春の練習会では残弾処理のため大量に消費される事があります。
薄くて加工しやすい反面、角が割れたり、ロールクリンプでは一部がちぎれたことがあるので何度も使えるものではないです。
SUPER X サボット・スラッグ
ハーフライフル用の安い練習弾として使用しています。
弾頭重量は重め、初速はやや遅めです。
薬莢の口の部分が熱で先細りになる傾向があるので質感は良くないです。
しかしロールクリンプ自体はそこそこキレイめな仕上がりになります。
一応貯めてます。
フェデラル(Federal)
トロフィーカッパー
12番の銅弾として一般に流通しています。
2 3/4インチと3インチがあります。
高価なこともあって鉛規制が無い本州では消費量は多くはないです。
3インチ薬莢の先端をカットすると新品の2 3/4インチ薬莢の用に使えそうです。
初速が高めなためか口の部分が熱で変形しがちです。
ロールクリンプはしやすいです。
POWER SHOCK Sabot
本州ではウィンチェスターのSUPER Xと並んでよく使われるサボット・スラッグ弾です。
材質は前記のトロフィーカッパーと同じです。
こちらも口の部分が熱で変形しがちなのです。
トゥルーボール
フェデラルのライフルド・スラッグ弾です。
レッドバードより安いのでよく買ってました。
こちらはサボット装弾と異なり、薬莢の口の部分がキレイに広がる傾向があります。
グリスを塗って使われることが多いので拭き取りは必要なこともありますが、拭いてまで使う価値はありそうです。
※グリスはパーツクリーナーでキレイになります。
猟で使った分はすべて拾ってます。
猟期前後の射撃でたくさん消費されます。
レミントン(Remington)
EXPRESS MAGNUM(15粒 バックショット)
15粒バックショットの薬莢です。
通常装弾は9粒ですが3インチマグナムなので2弾多く入っています。
射撃場では拾えませんが仲間内で集めることが出来ます。
大粒散弾の自主規制で減少傾向ですが根強いユーザーが居ます。
3インチマグナムでスタークリンプはこれが一番いいです。
EXPANDER
レミントンのサボット・スラッグ弾です。
銅弾なので本州で使う人は稀です。
まずまずの出来にはなりますが数が少ないので射撃で精度を確かめるのは難しそうです。
廃盤になりつつあるそうなので近い内に消します。
RXP スラッグ
こればかり使う人がいますが私は撃ったとこがありません。
樹脂部が極厚で並のクリンパーでは歯が立ちませんでした。
燃えないごみ。
レミントン 鳥弾
樹脂部はやや薄めですがそこそこ使いやすいです。
うっすら中身が見えます。
比較的集めやすい八角星の薬莢。
その他のメーカー
レッドバード
言わずと知れた日本製のスラッグ弾です。
これをリロードしようと思う人が多いですが、個人的には薄すぎて使いにくかったです。
口も溶けて曲がりがちです。
入手性は良いので近いうちに補正して試してみようと思います。
ブリネッキ(ロットウェル、フィオッキ)
ブリネッキと言うのは弾頭のことです。
その弾頭を弾薬メーカーが加工して弾(実包)にしています。
どちらも素材は似ていますが長さが少しちがいます。
この長さは詰め物で調整できるのであまり問題にはなりません。
ある方で詰めたらいいかと思います。
あまり変わらないのでとりあえず「ブリネッキ系」と呼んでいます。
ちなみにロットウェルの方はもう1段長い3インチマグナムもあります。
これらの弾は大物猟用の”よく効く弾”として使われているので入手しやすいです。
どちらもロールクリンプがキレイにでき、仕上がりは非常に良いです。
中身が透けて見えるので部品忘れなどの製造ミスも減らせます。
DUPO
スムースボアでもハーフライフルでも使える安い無鉛弾です。
DUPO 28はちゃんとした致死性のある狩猟用の弾です。
入った部分が小さく、貫通しにくいので革やトロフィー利用がしやすそうです。
12番から410番までありますが日本では12番しか見たことがありません。
12番用にはマグナムもあります。
また、最近では SUPER TARGET という鉄製のダーツみたいな射撃用装弾も販売されています。
メーカーが同じなので薬莢もほとんど同じです。
ただ全く同じというわけではなく、射撃用と狩猟用は若干縦筋の密度が違います。
ブリネッキ系よりは硬く、狩猟用はレミントンの15粒バックショットの薬莢に近いです。
射撃用はブリネッキ系と似ていて、狩猟用よりも筋が細かく先端まできれいに巻けます。
ブリネッキ系の下位互換品といった印象です。
SAUVESTRE(ソーベストレ)
戦車砲みたいなミサイルみたいな変わった弾頭のサボット弾です。
1発1000円以上の最高級弾です。
ブリネッキ系と同じような印象です。
口が曲がりやすいので補正が必要です。
高いので薬莢を拾えることは稀です。
Sellier & Bellot(セリベロ)
私がよく使っているクレー用の弾です。
数ある実包の中で唯一AAのように底がカップ形状になっています。
長さやカップの高さが同じ
樹脂部の厚みも同じ
クリンプだけ六角星
AAの六角星版だと思っています。
ワッズが手元にないのでまだ試していませんが同じものが使えそうです。
クレバー
同じようなのを揖斐教習射撃場で1発100円で買わされたので高い弾だと思っています。
日本クレー射撃協会認定品だそうですがネット販売がなく詳細は不明です。
たまたま拾いましたがリロード用としてはなかなか良い薬莢です。
ウィンチェスター AAと同じくらいプライマーの保持がしっかりしています。
GB
使いやすい薬莢です。
リロードデータもいくらかあります。
スキートでもトラップでもよく落ちている薬莢です。
AAと間違えて拾うことが多いです。
火薬がキレイに燃えるので中はとてもキレイです。
プライマーの保持力は個体差があり、自動銃なら要接着です。
レッドバード等のダイセル系に似ていますが若干しっかりしています。
FIOCCHI(フィオッキ、フィオッチ)
よくリロードデータに「Fio」として載っているメーカーですがプライマーサイズがわずかに大きくWin、Fedのプライマーは抜け落ちます。
プライマーを接着したら使えますが、金属部と樹脂部の間に隙間がありロールクリンプ時に回ると指を切りそうなので結局使わず。
入手性は良好。
ELEY
スモールボアでおなじみのELEY(エレー)です。
GBとの違いが殆ど無いので「白いGB」という印象です。
OLYMPIC BLUES
上記と同じくELEYの製品です。
GBとの違いが殆ど無いので「青いGB」という印象です。
NOBEL SPORTS ITALIA (NSI)
通常版の赤い薬莢と日本仕様の青い薬莢があります。
青いほうが中がよく見えます。
可もなく不可もなくな薬莢です。
チープなGBというところでしょうか。
RIO WINNER
かわいいピンク薬莢
射撃用なのでまとまって拾えます。
プライマーを接着するなら使えます。
B&P(ビーアンドピー)
底がプラスチックで出来た特異な薬莢です。
さすがにこれはリロードしていません。
Gamebore CLEAR(ゲームボア クリアー)
最近拾った薬莢です。
ブリネッキ系と同じクリア薬莢でプライマーの保持力も良好でした。
入手性は不明ですが使い勝手は一番良さそうで期待しています。
六角星のスタークリンプでリロードすることがあればまず試してみたい薬莢です。
今後も拾ったら追加していきます。
以上