さて、令和3年にハーフライフルの Browning A-Bolt 12GA を買った私ですが、令和4年に売却しました。
理由は2つあり、1つは反動が大きいこと、2つめは弾の入手が困難になってくると思われるからです。
ハーフライフル銃の反動問題
ハーフライフル(サボット銃とも呼ばれます)は一般的に反動が強いと言われる銃です。
12番ともなると日本で使われる猟銃の中ではライフル銃より上のようです。
12番で国内トップ、20番で300WinMagくらいとのことです。
借りて撃てないので私は比較できませんが…。
反動を決定づける要素は「銃の重量、口径、弾の重量、弾速、形状、マズルブレーキの有無」なのですが、それに撃つ姿勢を加えると体感する反動となります。
跳ね上がりにくいストレート形状の銃を安定させるためにしっかり構えるボルト式ハーフライフル銃の場合は特に反動を強く感じると思います。
銃自体が軽い20インチのポンプ式なども反動が強く感じますが立射で使うことが多いのと、銃床が曲がっていて上方向に反動を逃せる分まだましだと思われます。
私の場合は銃を置いて狙点に集中していると30口径の空気銃でも撃った瞬間驚く事があります。
12番を撃つと脳か骨格にダメージを受けそうな気分になります。
弾薬が入手困難に
アメリカのBLM、移民問題、ロシアのウクライナ侵攻などにより世界的に弾薬の需要が高まっています。
私がサボット弾を最初に買った年(R3)は弾を選べず在庫も少なかったのでマイナーな田舎の銃砲店でようやく50個確保ました。
翌年の春に同じ店で50個買ってからそれ以降は買えなくなってしまいました。
追記
R5年9月 現在も買えません。
練習シーズン前でこれなら猟期は望み薄です。
火薬はその前から少なく、令和4年以降は「高くてもあるときに買え」と言われるくらい貴重なものになりました。
雷管も同様です。
さらに円安ドル高の影響で値上げも相次ぎ、通常のスラッグ弾でさえ令和元年には200円/個だったものが令和5年では300円/個と、1.5倍になりました。
他の品目も同様に上がっています。
値段が変わっていないものは的紙くらいでしょうかね。
材料も買えない
これらにトドメを刺したのが個人輸入でメジャーだったのアメリカの販売店が日本発送をやめたことです。
「弾頭、火薬、薬莢、雷管」に加えてガスシール、ワッズ、カード、フェルト、サボ等を思い思いの組み合わせで入れていくのですが、国内では買えないので輸入に頼っていました。
それらが買えなくなるのは非常に痛手です。
日本発送をやめた理由は色々と説がありますが、トラブルが多かったんだと思われます。
先行き不透明なハーフライフル
ハーフライフル自体は日本の銃規制が産んだ恥ずべき制度ですが、非鉛弾を大型獣猟で運用する貴重な方法でした。
これがなくなると鉛規制とともに銃猟は色々と終わります。
国内で制度がなくなる可能性は無くても国外の規制緩和影響は出始めています。
令和5年にアメリカで銃猟規制が緩和され、全土でライフル銃が使えるようになりました。
これまでは事故防止や資源保護(獲りすぎ防止)などの為にサボット銃を使うことになっていたのですが、それが不要になりました。
そのため銃器メーカーも装弾メーカーも減産や廃盤になる可能性があります。
個人輸入できない銃なので改造ベースの銃が日本に入らないと誰も買えなくなります。
その影響かすでに一部の銃は入荷が止まっています。
そんなことなので私は不安定なサボット銃から供給が安定しているスラッグ銃に乗り換えることにしました。
令和4年に早めに状況判断をしたので売却額もスコープ付きで20万円と納得の価格でした。
追記
令和5年のサベージのボルト式ハーフライフル銃の買取価格相場は-5000円から0円となっています。
「金を払えば捨ててやる」ということですね。
(逆にサベージのボルト式スラッグ銃は高騰しています。)
銃を買っても弾がないので今から買う人は居ないと銃砲店は思っています。
消費者は気づいてたり気づいてなかったりなので令和5年の猟期は昨年以上に混乱するんじゃないかと思います。