射撃では安定した台に銃を置き、水平で障害物もなく、ちょうど50mまたは100m先に固定された「動かない的」に撃つので外すことはゼロインの1発目くらいです。
しかし、狩猟では外すことは少なくありません。
外した弾がどうなるのかということを現場検証しながら確かめてみました。
土に当たったケース
外れた弾は土に当たることが一番多いです。
しかし山ではそれを探し出すのが非常に難しいです。
思い立ってから外す度に何度も探し、ようやく見つけたのが下のものです。
レッドバード 12番 ライフルドスラッグ コンペティションロード
赤茶けた土に埋まっていました。
弾頭は完全に砕け、ガスシールも大きく変形しています。
てっきり弾頭だけが単体で飛んで行くと思っていましましたが、掘り出して初めて結合して飛んでいくことがわかりました。
木に当たったケース
鹿を撃とうとして25mくらい先の木に当たったのが下の写真です。
木の間を走り抜けるのでこういうことはよく起こります。
直径17cmくらいのクヌギの木の中心に当たっています。
弾は貫通せず中心くらいで止まっているようです。
12番のライフルドスラッグなので変形しやすく硬いものでの貫通力は低いです。
ガスシールも一緒に入っているかはわかりませんでした。
細い木に当たったケース
細い木に当たるとこのようになります。
弾は右から左に飛んで、着弾とともに砕けたようです。
杉やヒノキに当たると?
針葉樹林で猟をすることもよくあります。
歩きやすく見通しも良いため比較的安全なエリアです。
今のところ流れ弾は発見できていないですが、杉やヒノキなど林業で製材される木に当たった場合は問題になることがあります。
弾が当たった部分は節穴のようになり材木として価値が下がるためです。
しかし、林業や製材業の関係者からのクレームは今のところありません。
なぜならば鹿が木の皮を食害して深刻な被害を受けているからです。
ごく稀に当たっているくらいの弾よりも鹿の被害の方が遥かに多いです。
また、鉛は柔らかいので製材用の帯鋸でも問題なく切ることができます。
逆にこれが(環境に優しいと言われる)銅弾だった場合、硬いので帯鋸の刃が欠けたりチェーンソー作業の支障になります。
人間や銃にとっても危険性のある非鉛弾。
植林地では銅弾の使用は自粛するべきかもしれません。