止め撃ち用として410番の中折式散弾銃を導入しました。
410番という口径
410番という口径は装薬銃の中では一番非力です。
しかし、威力的には .357マグナム と .44マグナム の間くらいなので近距離なら十分使えます。
このあたりは長くなるので下記の記事でまとめています。
構造
機能美に溢れたシンプル設計。
この銃は中折式単発銃(単身元折式とも)というタイプです。
上下2連が1発用になったようなものです。
銃を折って後部から1発だけ弾を入れることが出来ます。
銃を全て折るとエジェクターが作動して薬莢がポーンと飛び出します。
クラシックな有鶏頭(ゆうけいとう)と呼ばれるタイプでハンマーがあります。
手動でハンマーを倒し、引き金を引くことで発砲できます。
銃を折るレバーとハンマーは別です。
この古めかしさが中々良いです。
分解方法は先台を引っ張って外して折るだけ。
初見殺しで全くわからず、買った店に電話して聞きました。
非常にシンプルな作りで慣れれば簡単に分解できます。
木は紫檀のような硬質で重い印象を受けますが詳しくは不明です。
口径は小さいものの銃身が肉厚で重厚です。
全体の重量も 3kg 弱とズッシリしています。
この重さのお陰で反動は片手でも撃てる程度です。
この銃の歴史
この銃は川口屋林銃砲火薬店(Kawaguchiya Firearms Compeny K.F.C.)かミロク工作所(現 ミロク)によって製造されたようですが、どちらが作ったかまではわかりませんでした。
掲載されていたと思われるカタログの年代は1970年頃なので K.F.C がミロクにOEMで製造委託して出来た銃ではないかと思われます。
銃の名前は「Model 250」との情報もありますが、 K.F.C のブランドにはM250という12番の自動銃もあるので今となっては不明です。
私の許可証では「ミロク」とだけ書かれていますが、別の中古銃情報では KFC 250 という名前でした。
メーカー名の刻印は一切無いですが銃身には「MADE IN JAPAN」と書いてあります。
全く違う機会ですが YouTube でも同じ銃を見かけました。
しかしそちらは SAVAGE(サベージ)製の昔の銃なので同じような単発銃が同じような時期に流行ったのかなという印象です。
ちなみにSAVAGEは現行機でもよく似た別の銃を出しています。
SAVEGE 301 TURKEY BOTTOMLAND
精度
チョークはインプシリンダーなので鳥弾・スラッグ兼用銃です。
散弾量は12番の半分くらいなので弾幕は薄いですが、トラップでも少しは当たります。
スラッグの方はスコープを積んで 50m を撃ちに行った記事を下記に載せておきます。
安全性
この銃のは安全装置がありません。
ハンマーを倒さないというのが安全装置とも言えます。
デコック時に暴発しないよう気をつける必要はあるものの、日本の標準的なルールを守っている限り大した危険性はありません。
用途
410番の猟銃は弾も小さく軽快に動き回れて、犬への危険も軽減できるのでイノシシ猟でも使われています。
変な彫刻もなく古風な所がかえって良く、ロマンス枠で惹かれている人もいるようです。
私は主に罠の止め撃ちのために買いました。
頭か首と撃つことで肉の痛みが少なくて済みます。
猿を撃ったこともありますが、この時は鹿を12番のスラッグで撃ったようになりました。
相対的に見れば猿撃ち銃として使えるポテンシャルを持っていそうです。