さて、前回の講習の翌週、続編となる実技編がありました。
野生獣の解体技術講習会(実技編)
解体講習なので当然ながら本物の鹿を解体していくことになります。
生きてるんだろうか?と思いながら現地まで車を走らせました。
会場はとある公園的な施設の一角。
朝方罠にかかった鹿を止めて持ってきていました。
血抜き
どんなときでもまず最初に血抜きをします。
槍で刺して殺している場合は抜けているかもしれないですが、しっかりしておかないと後で臭みになります。
刺す場所は前足と首の間の柔らかい部分。
そこにナイフを差し込むと血が出てきます。
場所は触って確かめるとよく分かります。
これも実際にしてみないとわかりません。
わたぬき
血抜きをしている間に内臓を取る。
内臓はすべて1本の管で繋がっており、決して傷つけてはならない。
特に食道と肛門はビニールを被せるなどして表面や内容物が肉に触れないようにする。
すべて取り出したら1つ1つチェックして病変がないことを確認していました。
皮剥ぎ
鹿の皮は剥ぎやすく専用のナイフでなくとも割と簡単に作業できます。
各足の足首辺りから首元くらいまでを剥いでいきました。
写真は載せて良いのかわからないので自粛。
足と頭を落とす
利用しない部位である足と頭を落とす。
足は関節より上くらいで簡単に折ることが出来ます。
※私はこの作業が好きではないです。
頭も順番に切っていけば取れます。
枝肉
上記の作業まで終わらせると枝肉となり肉を取っていくだけになります。
通常は部屋を変えて行い、施設によってはこの状態で保存・熟成させることもあるそうです。
ロースやモモなどの一般部位だけでなく、全てを丁寧に解体していくとこのように骨だけになります。
解体した後の肉のついていない骨には動物と丁寧に向き合いたいという姿勢が現れています。
このような丁寧な解体を見ているとロースとモモだけ取って埋めるというのが何とも雑に思えてきます。
もし肉にもっと価値を見いだせればもっと活用したいと思えるでしょう。
歩留まり
体重の1/3くらいの肉が取れます。
1頭の鹿(50kg)から16kgくらい取れる計算です。
一般家庭の食肉消費量から見るとかなり持ちます。
解体に使っていたナイフは?
講習が終わってからフリートークの時間がありました。
講師の方は自身で食肉処理施設を立ち上げ、運営されています。
どんなナイフを使っているのかという質問もありました。
モーラナイフっぽいですがF.DIKCというメーカーのナイフでした。
他にもサバキ包丁やのこぎりなど場所ごとにいろいろ使われていました。
今回の講習は肉の取り方、道具の選び方・使い方など参考になるものが多かったです。
今後に活かしていきます。