雪が積もると山歩きは大変困難なものになります。
しかし雪のおかげで見晴らしがよく獲物が見つけやすくなるのであえて行く価値もあります。
ひと冬試したものを比較という形で紹介していきます。
スパイク付き長靴
私は普段、スパイク付きの長靴を使用しています。
狩猟用のスタンダードな長靴で、猟友会の支部単位で一括購入して配布されることもあります。
これコメリの草刈りスパッツを装備しているので雪が入ることはありません。
凍っても滑らず、濡れた木でも歩けるのですが、雪が30cm以上積もると一歩一歩が重くなります。
特に疲労と共に足が上がらなくなるので帰りは雪を蹴りながら重たい歩き方になりがちです。
比較のため60cm積もった庭先の雪を片足立ちで踏んでみました。
過去5日間に積もった40cmと前夜に積もった20cmの合計60cmのやや湿った新雪です。
結果は約40cmの陥没です。
次の一歩は40cm以上足を上げなければならないということです。
また、垂直方向に上げないと雪を蹴る事になるので、それが数百歩、数千歩となると多大な疲労になります。
かんじき(ワカン)
古くからある道具として「かんじき」があります。
和かんじきとも言われる昔からある木製の道具ですが、近代ではアルミ製が主流です。
こちらを履いて同じ雪を踏むと…
結果は20cmの陥没でした。
半分で済むのでずいぶん負担が軽減できます。
スノーシュー
調子に乗ってスノーシューも買ってみました。
こちらはキャプテンスタッグ製の27インチモデルです。
25インチもありましたが浮力を優先して大きい方にしました。
銃身より長いですね 笑
こちらで同じ雪を踏むと…
13cmくらいの陥没
流石に大きいだけあって効果は絶大です。
平地ならこちらが良さそうです。
結局なにが良いのか?
一冬試した程度ですが現時点で言えることは、
・傾斜地ならかんじき
・平地ならスノーシュー
・凍って硬い朝はかんじきが歩きやすい
・溶けかけはスノーシューがやや歩きやすい
・深い新雪はどちらも沈むが長靴よりはマシ
・地面が見えるとこではどちらもかえって邪魔
という具合です。
スノーシューはヒールリフターという機能があり、かかとの部分が浮きます。
これは平地ではいいのですが、やや急な傾斜地では階段を作ったり、曲がったり、踏ん張ったりが難しくなっていきます。
この手の話題では「道しか歩かない」という人も一部ではいますが、「どこからどこにいる獲物を撃つつもりなのか」と問うと静かになります。
このあたりは山歩きと猟の違いですね。
私は両方車に積んで山に入る前に決めます。
使わなければ背負子に固定して歩いています。
※機能的な背負子は別記事で紹介します。
雪の中でいかに楽に歩くかは雪山猟の永遠の課題です。
今後も研究していきます。