【猟師の会計②】猟師の経費をまとめてみた!猟銃は経費で落ちるのか?

2020年4月11日

今回は経費にスポットを当てていきます。
経費をしっかり計算することで所得税を削減することができます。

勘定科目について

勘定科目とは、支払いや受領などのお金の流れを誰が見てもわかりやすく記録するために必要な分類項目の総称です。
一例を上げると「売上」、「固定資産」、「消耗品費」、「車両費」、「接待交際費」、「光熱費」、「租税公課」などです。
これらをしっかりまとめることで、収支のバランスやどこにどんな費用がかかっているのかなどを容易に見ることが出来るようになります。

ちなみに勘定科目は法律で定められているものではないので勝手に作ることもできます。
例えば有害鳥獣駆除の報奨金を売上にすることに違和感があるなら、収入の部に「報奨金」という科目を作ればよいのです。

ただ、あまり細かくすると後々迷うことになるので、私は大まかにまとめるようにしています。
例えば、「消耗品費」を「備品消耗品費(ナイフやスコップ)」と「事務用消耗品費(紙やインク)」などと分けた場合、撮影用のスプレーやメジャーはどちらにしようか迷うことになります。
細かくしようとすればするほど手間が増える一方なので、私の場合は「消耗品費」で一本化して手間を削減しています。

いきなり全てを完璧にするのは難しいと思うので、まずは経費になるものを理解して記録していくことから始めていきましょう!
おそらくこれが一番簡単です。

 

消耗品費

消耗品費はおそらく一番多く使う勘定科目です。
事務用品から10万円未満の機材までの全ての物品が消耗品費になり得るからです。

消耗品費の例

事務用品:紙、ボールペン、プリンター、インク、カメラ
狩猟用品:ベスト、作業着、防寒具、長靴、手袋、銃袋、弾帯、レスト、わな、わなの部品
備品工具:ナイフ、カシメ、ペンチ、ロープ、スコップ、三脚、燃料携行缶
消耗品:ゴム手袋、ビニール袋、ラッカースプレー
銃関係:銃本体(10万円未満)、実包、弾丸、火薬、雷管、リローダー、ガンロッカー、装弾ロッカー

※10万円以上の機材(銃や車やカメラなど)は固定資産です。

 

車両費

車は固定資産ですが、ガソリン代や整備費用は車両費で計上できます。
ただし、車をプライベートでも使用している場合はその分を差し引く必要があります。

車両費の例

ガソリン代、整備代、修理費、パンク修理費
タイヤ、ワイパー、オイル、ウィンチ(搭載式)
駐車料金

 

諸会費

猟友会の年会費など猟をするために必要な費用がこれに該当します。

諸会費の例

猟友会の年会費など

 

租税公課

都道府県に納付する狩猟税や公安委員会での各種申請に必要な収入証紙代などが該当します。
他に車の税金などもこれで計上できます。

諸税公課の例

狩猟税、収入証紙代、車の税金など

 

損害保険料

狩猟者登録に必須のハンター保険料はこれに該当します。
他に猟で使う車に自賠責保険や任意保険を掛けているのなら計上することができます。

損害保険料の例

ハンター保険の保険料、PL保険料、車の保険料など

※保険料を払う方の科目であり、受け取った場合は雑収入になります。

 

接待交際費

狩猟前後の集まりや会食はこれに該当します。
意見交換での情報収集や信頼関係の構築など、収入を得るために必要性があるものは全て経費として計上できます。

接待交際費の例

打ち上げや飲み会の代金、冠婚葬祭、忘年会、新年会など

※業務上必要な付き合いに限り、プライベートとは分ける必要があります。

 

トレーニング関連費

この科目は主にスポーツ選手やインストラクターの方々が使用していますが猟師も使うことができます。
内容は何かというと「標的射撃」です。

詳しくはこちらで説明します。
>>クレー射撃練習は経費になるのか?

※猟犬がいる場合は訓練所での猟犬のトレーニングでも同じ科目で使えます。

 

給与賃金(又は外注費)

巻狩での報奨金は代表者に一括で支払われる場合が多いので、分配をきちんとする場合はこの科目で計上します。
受け取る方は謝礼や報酬として計上し、払う側は給与賃金か外注公費か謝礼として計上することが多いです。
多くの場合でここまでつけている人は居ませんが。

 

固定資産

固定資産に大きく分けて2種類あり、税金の払い方から物品と不動産に分けると理解しやすくなります。
まず、経費で買った10万円以上の機材などは基本的に固定資産になり、減価償却により決められた年数で割って計算することになります。
※ただし10万円以上でも何かの材料とかの場合は「仕入れ」として計上します。

例えば軽トラを買ったら耐用年数は4年なので、120万円で買ったとすると1年辺り30万円を計上できます。
ただ、買った時期からが計算の対象になるので、3月に買ったら1~2月は計算に入らなくなり、1年文ではなく10ヶ月分で計算することになります。
上の例だと「100万÷4=30万」→「30万÷12=2.5万」→「2.5万×10ヶ月=25万」となります。

また猟犬も固定資産になり分類は「備品」の「その他」となり耐用年数は8年です。

他にも土地や建物も固定資産に該当しますがここでは割愛します。

固定資産の例

車、銃、高い機械(真空包装機など)、パソコン、カメラ、小屋、土地、猟犬

 

【おまけ】経費にしないもの

ここまで細かくつけている私ですが経費に計上していないものもあります。
それは、無線機と局免費用です。

アマチュア無線は事業利用ができません。(根拠法:電波法)
移動や待っているときの雑談で使っている分には何ら問題ないので使うことはできますが、これが経費になるかというとなりません。

狩猟を趣味だと言う人が多いのはこれも関係があるかもしれませんね。

業務無線(陸上特殊無線)の免許は持ってはいますが運用は現状を踏まえると実用化は困難です。
このあたりは制度改革が必要になるのではと考えていますが…
※ここは長くなるのでいつか記事にしたいと思っています。

令和3年3月より「社会貢献活動」にもアマチュア無線の仕様が認められ、狩猟・駆除ともに使用できるようになりました。
これにより無線関係の経費はすべて計上可能です。

 

 

-雑記
-, , , , , ,